双子の娘たちものびのび
木の温もりに包まれる暮らし
【杉材の無垢床が一番のこだわり。柔らかいので素足に優しく、冬でもほんのり暖かい】
JR 大久保駅から徒歩数分という利便性ながら、日当たりも良く静かな住宅街に位置する、団地のようなつくりの中古マンション。こちらにお住まいのTさんは、3年ほど前まで沖縄で暮らしていたという、双子の娘さんのいる4人家族です。
明石での暮らしにまだ慣れない頃に始めた家探しは苦労の連続だったそう。それでもこだわりを捨てず、じっくり時間をかけ、木の温もりに包まれた素敵なリノベーションを低予算で実現。今回、奥さまに家づくりのエピソードをうかがいました。
住所:兵庫県明石市
スタイル:中古マンションリノベーション(築40年)
費用:約1,400 万円<物件購入1,000 万+リノベーション400 万円>
家族構成:夫・妻・双子の娘
フロッグハウス担当者:清水大介
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2 年かけて見つけた築40 年の中古マンション
【子どもたちがお絵かきを楽しむ壁のボード。部屋に温かみを出すために黄色をチョイス。】
現在5 歳の双子の娘たちの教育のことなどを考え、約3 年前に、私の故郷である明石に引っ越してきました。最初は賃貸に暮らしていましたが、狭くて住み心地が良いとは言えず、すぐに購入を考え始めました。
沖縄で生まれ育った夫の唯一の条件は「庭でバーベキューができる一戸建」(笑)。
ただ、予算内でその条件だと交通の便も悪く、ぴんと来なかったんです。そのため中古マンションに切り替えましたが、思うような物件になかなか出会えず、2 年近く探していました。
【ほぼ全室に窓があり全体的に光を取り込める角部屋ならではの間取りなので、家の奥にある子ども部屋も昼間は電気をつけなくても十分な明るさ。】
ようやく出会ったこのマンションは、駅から近くて室内全体が明るく、間取りも気に入りました。築40 年の団地っぽい物件なので耐震面などに少し不安もありましたが、購入を決意しました。
“家に対する愛”が印象的だったフロッグハウス
せっかくいい物件に出会ったものの、実は不動産会社といい関係性が築けず、困っていました。リノベーション工事とセットで販売している業者だったのですが、「このままでは全然楽しめない」と思い、なんとか交渉して物件購入だけにしてもらったんです。
そこから、リノベ業者をネットで探しました。検索してたどり着いたフロッグハウスのホームページで、団地再生の事例が紹介されていて。うちも団地っぽいつくりだから見てみたら、なんかもう、ホームページから家に対する愛がめっちゃ出ていて。気持ちを込めて向き合いながらやっているのが印象的でした。
【家具やおもちゃにも積極的に木を選ぶほど、木が大好きだというT さん。】
何回かメールや電話でやり取りをしたのちに、事務所にうかがいました。「助けてください!」という感じでしたね(笑)。オフィスも素敵で自分たちの好きな感じだったので、お願いすることにしました。
【リビング入口の黒い大きな扉は、ご主人のこだわり。廊下を挟んで向こうに見えるのが、寝室兼ホームシアター】
絶対にやりたかった無垢の床
担当は代表の清水さんでした。最初は物件を購入した業者にリノベも依頼する予定だったので、自分で作り込んだ「こうしたい」というイメージ資料があり、それを元に相談しながらデザインを決めていきました。
中でも絶対にやりたかったのは無垢の床です。和室だった部分も含めて全室に貼りました。材にはこだわりがなかったので、提案してもらって。サンプルを見に行きましたが、いいなと思うものはどれも予算オーバー。だけど「無垢だけは外されへん!」となり、薄めの摺板でやってくれる業者さんをあたってもらい、予算内でお願いできました。
結果的にこの杉の床、とても良いです。サンプルでは結構傷がついたから心配だったけど、使ってみたら全然気になりません。
【奥さま手作り(!)のテレビ台は、床との相性もばっちり。至るところに奥さまのDIY 家具があり、床と相まって木の温もりに満ちていました。】
【リビングは、元々和室だったスペース。琉球畳の小上がりは腰掛けやすいよう高さにもこだわりました。仕事からの帰りが遅いご主人は毎晩、ここに座ってテレビを観ながら夕食を食べるそう。奥の建具は元のものをそのまま活用。】
2つの洋室をつなげてみんなで映画を観る部屋にしたのと、キッチンのオープン棚もずっとやりたかったことです。清水さんといろいろ相談しながら、予算内で希望をかなえてもらいました。
【広々とした寝室兼ホームシアター。ここでよく、家族揃って映画を観るそう。子どもたちも大好きな部屋です。】
【「扉つきだと奥に詰め込んでごちゃごちゃしちゃうから」と、あえてオープンの食器棚に。洗って、乾かして、しまって、出して、の面倒な動線がスムーズになりました。】
この家での暮らしは、気持ちが落ち着きます
工期は約2ヶ月で、スムーズに進みました。工事関係の業者さんたちが、みんなすごく丁寧で。それって、フロッグさんが業者さんに対して無茶な要求をしていないからだと思うんですよね。フロッグさんの優しさを業者からも感じてしまいました(笑)
【子どもの手が届く高さのクローゼットは、取り込んだ洗濯物をそのまま収納可能。扉の取っ手をつける位置について、大工さんが丁寧に確認してくれたそう。】
【寝室の腰高窓に取り付けた転落防止の柵。桟は1本1本、丁寧に面取りされています。】
「これは自分でやりたい」というところはやらせてもらえて。琉球畳は、畳屋さんに行って自分たちで発注したんですよ。また、予算を抑えるために、床の塗料やホワイトボードは、子どもたちも一緒にDIY で塗りました。
押入れだった部分を活用したワークスペースは、清水さんから提案してもらいました。おもしろくないですか?子どもたちが向こうの部屋で遊んでいる間、私はここで過ごすことが多いです。
【押入れだった箇所をワークスペースに。デスクは奥さまのDIY。床は、他の部屋と同じ板が足りなくなったため、フロッグハウスの在庫を使いました。】
この家での暮らしは気持ちが落ち着きますね。子どもたちは引っ越してから前と全然違います。遊ぶところがいっぱいできて、毎日のびのびと過ごしています。
【どの部屋を案内してもらっても、楽しそうに遊ぶ二人の姿が印象的でした】
やっぱりよかったのは、新築の半分くらいの予算で、理想のお家ができたことです。一戸建は自分でメンテナンスする必要があるけど、マンションは管理組合がやってくれるのも自分たちに合っていると思います。
【あまり手を加えなかった洗面所は、思い切ってトロピカルな壁紙に。来客からの評判も上々だそう。】
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物件探しに苦労したからこそ、「フロッグさんと出会えて本当に良かった」と振り返るT さん。大好きな木の温もりに包まれる暮らしの心地よさが、こちらにも伝わってきました。今後、娘さんたちの成長と共に家の使い方がどのように変わっていくのか、ワクワクさせられるお宅でした。
<取材・撮影・文: 村崎 恭子 >